介護職に向いている人とは?
心身ともにタフな人
介護職は要支援・要介護の高齢者を抱えたり、移動の介助を行ったりする際に体力が求められることが多いです。身体介護を行わない仕事もありますが、介護業界でスキルアップしていくためには資格を取得して身体介護ができるようになることが望ましいです。また、介護職は勤務先の施設形態によって夜勤のシフトに入る必要があったり、交替勤務で不規則な働き方になったりすることも珍しくありません。特に夜勤者は生活リズムの乱れから、免疫が低下して風邪などの感染症にかかりやすくなってしまいます。そのため、体力面に自信のある人は介護職に向いているでしょう。
体力的な面以外には、「精神的なタフさ」も必要です。介護の仕事では、終末期のケアに携わることもあります。親しくなった高齢者とお別れをするのは、家族でなくても悲しい瞬間です。また、高齢者や家族から理不尽なクレームを受けたり、ともに働く同僚や上司と馬が合わなかったりすることもあるかもしれません。このように至るところでストレスを感じやすい仕事のため、「心身ともにタフな人」が介護職に向いています。
勉強熱心な人
介護職は、勉強熱心な人にも適職といえます。介護業界は変化が大きく、新たな技術や知識がどんどん生み出されています。近年では「ICTの活用」に積極的な施設も増えており、「タブレット端末」を用いた介護記録もその一例です。このような「ICT導入」に関しては、変化を厭わない柔軟な姿勢や学ぶ意欲がないと対応が難しくなります。「タブレット端末」以外にも、高齢者の移乗や入浴の際に介護職に変わって高齢者の体を支える「介護ロボット」、居室のドアやベッドなどに取り付けて高齢者の転落や予測不能な事故などを防ぐ「見守りセンサー」なども、ここ数年での介護業界の大きな変化といえます。ほかには、無資格から挑戦しやすく、経験を積むにつれて技術と知識をどんどん習得できることも介護職の特徴です。さらに資格の種類も複数にわたり、「介護福祉士」などの上位資格を取得している人材ほど重宝され収入アップにも結びつきます。努力が実を結びやすい介護職は、「勉強熱心な人」にとって適職でしょう。
相手の立場に立って考えられる人
介護サービスを利用する高齢者は「要支援・要介護」の認定を受けており、日々何かしらの支援を必要としています。聴力が低下して相手の話をうまく聞き取れない、運動機能の衰えからスムーズに歩けないなど、身体の状態はさまざまです。また、介護職に遠慮してしまい自分の気持ちを訴えることができない人もいます。介護職は高齢者一人ひとりの心情を汲み取り、都度望ましい支援を提供する必要があります。「高齢者が笑顔でいるから体調に問題ないだろう」「自分は聴力に問題がないから相手もしっかり会話を聞き取れるだろう」といった決めつけや、自分本位の見方をするのは禁物です。ときには高齢者の声なき声にも耳を傾けて、細やかな気配りで信頼関係を築き、「相手の立場に立って考えられる人」も、介護職に向いています。